避妊・去勢手術について
若いうちに手術をすることで、
病気の発生リスクを減らせます。
避妊・去勢手術の適期は生後6~8ヶ月とされています。
まだその頃の動物は幼く、小さな体で手術を受けさせるのはとても悩まれることだと思います。手術には当然のことながら様々なリスクが伴いますが、避妊・去勢手術を受けることで動物たちが得られるたくさんのメリットがあることをご理解いただきたいと思います。
避妊手術のメリット
- 乳腺腫瘍・卵巣がん・子宮がん・子宮蓄膿症などの病気予防につながる
- 発情に伴う出血や、性格の変化、性的衝動などのストレスから解放される
- ストレスに関連する病気(膀胱炎、皮膚病など)の発症予防につながる
去勢手術のメリット
- 精巣腫瘍・前立腺肥大・会陰ヘルニア・肛門周囲腺腫などの病気予防につながる
- マーキング行動(犬)・スプレー行動(猫)を軽減できる
- 性的衝動のストレスが少なくなり、性格が穏やかになる
- ストレスに関連する病気(膀胱炎、皮膚病など)の発症予防につながる
避妊・去勢手術で予防できる病気のほとんどは、歳をとってから発症するものです。若くて健康な時に行うのと、高齢になり病気を発症してから行うのでは手術によるリスクも大きくかわってきてしまいます。
また、犬猫をはじめとする動物たちは、自らの体調の変化を飼い主様に隠してしまう習性をもっています。気づいたときにはすでに手遅れに…ということも少なくありません。
適した時期に手術を受けさせてあげることができれば、これらの病気の発生リスクを限りなくゼロに近づけることができます。
しゃべることのできない大切なご家族を病気から守ってあげるための手段として、是非、避妊・去勢手術のことをご家族で話し合ってみてください。
当院の避妊・去勢手術の特徴
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特徴01
安全性に優れた手術機器の導入
血管シーリングシステムや電気メスなどの手術用機器を導入しており、体内に縫合糸などの異物を極力残さないだけでなく、安全な止血や手術時間の短縮が可能です。
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特徴02
疼痛管理の徹底
避妊・去勢手術においても積極的に疼痛管理を行います。痛みを最小限に抑えることにより、術後の回復が早くなることが期待でき、さらには動物に与えるストレスが少なくなります。
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特徴03
より安全な麻酔管理
数種類の麻酔薬を少しずつ使うことで副作用を最小限にし、より安全な麻酔管理(バランス麻酔)を行います。手術前に検査を実施し、動物の状態に合った安全な麻酔方法を選択します。さらに手術中は生体モニターを用いて、動物の状態を細かくチェックしながら手術を進めていきます。
手術の流れ Frow
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問診
当日の体調について、お伺いします。
※避妊・去勢手術は事前のご予約が必要となります。 -
診察
視診・聴診・触診を行い、全身状態の確認を行います。
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術前検査
年齢に応じた手術前検査(血液検査、レントゲン検査など)を行い、安全に麻酔がかけられるかどうかを判断します。
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手術の実施
全身麻酔下にて、痛みや恐怖感の無い状態で手術を行います。
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術後・お迎え
事前にご案内した時間にお越しいただきます。
手術内容や、薬の飲み方、今後の通院についてご説明いたします。また傷口を保護するためのエリザベスカラーやエリザベスウェアもご用意いたします。
かのペットクリニックでは、犬と猫のエリザベスウェアを取り扱っております
エリザベスウェアは、エリザベスカラーの代わりに避妊・去勢手術による傷口を保護するための「犬・猫の術後服」です。各サイズを豊富に取り揃えておりますので、手術をご検討の方はお気軽にご相談ください。
狂犬病ワクチン
年に一度、接種してあげてください。登録代行も承っております。
法律により、年に1度の接種が義務付けられています。狂犬病は、犬だけでなく人を含む他の哺乳動物にも感染し、致死率は100%という非常に危険な病気です。非常に感染力が強いウイルスのため、必ずワクチンを接種しましょう。
当院では松戸市と市川市の登録代行も承っております。代行手数料は頂いておりません。
混合ワクチン 【犬・猫・フェレット】
定期的なワクチン接種による感染予防をお勧めいたします。
犬の混合ワクチン
犬の混合ワクチンに含まれる感染症は、ジステンパーやアデノウイルス、伝染性肝炎など犬にとって死のおそれがある危険な病気です。
糞やおしっこに含まれる病原体が空気中に飛散し飛沫感染してしまったり、お散歩中に他の犬との触れ合いから感染することがないよう、定期的にワクチンを接種して予防することが大切です。
なお、キャンプ・川遊びなどのアウトドアをする機会が多いワンちゃんは、レプトスピラ感染症の予防を含む8種混合ワクチンの接種をお勧めいたします。
猫の混合ワクチン
猫の混合ワクチンに含まれるヘルペスウイルスとカリシウイルス感染症はくしゃみ、咳などの飛沫を介して、あるいは接触により感染をするもので、いわゆるネコ風邪の原因となるものです。
室内で生活している猫でも、ペットホテルに預ける場合や、病気で動物病院に来院する際に感染してしまう可能性がありますので、定期的な混合ワクチンの接種をお勧めいたします。
仔犬、仔猫は、授乳によって母親からの「移行抗体」をもらい受け、いろいろな病気に対しての免疫力を獲得します。この移行抗体は、生後42日~120日ほどの間に徐々に失われてしまうため、移行抗体がなくなる頃にワクチンの接種を行う必要があります。
生後6~8週齢頃に初回接種、その後3~4週間おきに複数回の接種を行うなど、確実な免疫を獲得できるようワクチンプログラムを実施することが大切です。
また、ワクチンによって得られた抗体は徐々に減少していくため、大人になった後も、定期的な継続接種が必要となります。
フェレットの混合ワクチン
フェレットは、犬ジステンパーウイルスに対する感受性が非常に高く、致死的となることが多いため年一回のワクチン接種をおすすめいたします。
生後1ヶ月頃に繁殖場(ファーム)にて接種されていることがほとんどで、1回目の接種の1ヶ月後に2回目を、さらに1ヶ月後に3回目を追加接種し、その後は年1回の接種をすすめております。
※日本国内にはフェレット用としてのワクチンが販売されていないため、特定の犬用のワクチンを代用いたしますが、十分な予防効果(抗体価の上昇)が得られることが報告されています。
フィラリア予防 【犬・猫・フェレット】
フィラリア症とは、蚊に刺されることによって「犬フィラリア(犬糸状虫)」が体内に入り込み、心臓や肺に寄生することで起こる病気です。一度感染がおきると治療がとても困難であること、重度の場合、死に至ることもある病気のため、適切な時期にフィラリア予防薬を服用しましょう。
フィラリアは猫、フェレットにも感染することが分かっています。室内で飼われている場合でも、出来る限り予防をしてあげましょう。
フィラリア予防薬の種類と投薬時期
5月から12月にかけて、月1回の投薬でフィラリア症の予防を行います。
- おやつタイプ
- 錠剤タイプ
- スポットタイプ(滴下剤)
- オールインワンタイプ(ひとつでフィラリア、ノミ・マダニ予防が可能な薬)
ノミ・マダニ予防 【犬・猫・フェレット】
ノミはカーペットや寝床の奥に、マダニは草むらなどに潜んでいます。寄生された場合、痒みや痛みなどを伴う皮膚病の原因になるほか、病原体に感染することもあります。特にマダニは、人間に対して「SFTS(重症熱性血小板減少症)」という病気を媒介することが全国で報告されています。
ノミによって起きる病害
- ノミの唾液によるアレルギー
- 痒みによるストレス、皮膚病
- 寄生虫、ウイルスの媒介
- 吸血による貧血
ノミ・マダニ予防薬の種類と投薬時期
4月から12月にかけて、月1回の投薬を行います。
草むらに触れることが多い環境であったり皮膚病を患っている場合は、一年を通して予防を行うこともあります。
- おやつタイプ
- 錠剤タイプ
- スポットタイプ(滴下剤)
- オールインワンタイプ
(ひとつでフィラリア、ノミ・マダニ予防が可能な薬)
歯科処置
口腔内の雑菌は長い時間をかけて多くの病気(腎臓病、心臓病、糖尿病など)を引き起こすことが分かっています。 痛み、怖さをなくすために全身麻酔での処置とはなりますが、歯の表面はもちろん裏側、歯周ポケットのすみずみまで綺麗にすることができます。「高齢」「麻酔が不安」という方は体の状態に応じた安全な麻酔方法をご案内しますので、ご相談ください。まずは診察の際に、お口の中の状態を確認することから始めましょう。
また、日々のデンタルケアはなかなか協力的ではない子も多く、難しいものです。動物の性格やライフスタイルにあったケアの方法をレクチャーいたしますので、お気軽にご相談ください。